2023/01/31
ドイツの一点もの陶器「Fat Lava(ファットラヴァ)」について
皆様こんにちは。DÉMODÉを運営しております細野です。
今回は当店で扱う、ドイツの一点もの陶器「Fat Lava(ファットラヴァ)」について書きたいと思います。
そもそも「Fat lava(ファットラヴァ)」とは、
どろりと溶けたようなムラのある釉薬の質感や鮮やかな色合い、冷え固まった溶岩のようなごつごつとした質感が特徴の花器の事。
同じデザインがなく、希少性が高いので今もなお世界中のコレクターたちを中心に愛されています。
平たくいえば、1950年代-1980年代を中心に、ドイツ(特に有名なものの大半は西ドイツ)で制作され、ある特徴を持った陶器の、その中でもニッチな、ごく限られた特徴をとらえカテゴライズされた陶器のこと。
Fat=太った Lava=溶岩と言う名前の通り、溶岩のように流れているようなディティールだったり、情熱的なマグマのような真っ赤なカラーだったり。はたまた冷えて固まった溶岩、つまり花崗岩のようなザラっとしたテスクチャだったり。厚く粗い釉薬も象徴的なポイントです。
ただこれを聞いてから当店のアイテムをご覧いただくと、溶岩?真っ赤?と疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れません。
当店では個性があり過ぎるアイテムは置いておりません。
と言うのも、僕自身Fat Lavaを好きになったのがその唯一無二のデザインと希少性。その中でもモダンで現代のライフスタイルに合うデザインに触れたから。
賛否両論あると思いますが、僕自身の考えとしては「フラワーベースや陶器は、オブジェとして目立つものではなく、日常に馴染み生活を豊かにするもの」という認識であり、数あるFatLavaの中でも、一際モダンで落ち着いた印象、そして普段使いで空間を壊さないものをセレクトしております。
続いてはその誕生の背景を書いていきます。
長文になるのでお好きな方は是非お読みください。
歴史はいいので商品を見る。という方は以下のリンクよりご覧ください。
Fat Lava 商品ラインナップ→https://www.demode-vintagejewelry.com/categories/4829756
-Fat Lavaの歴史-
第二次世界大戦後、ドイツは国を挙げて、陶器産業の再建に取り組みました。
1950年代から1970年代までの全盛期には、100以上の陶器/磁器会社や陶芸家が西ドイツを主としてアーティスティックな陶器を積極的に生産していました。
それらを総称して【West German Art Pottery】と呼ばれています。
デザイン倫理を主張し 曲線的で複合的な要素を融合する、まるでキュビズムのような陶器たちが続々と登場。
それに加え、多種多様な装飾効果を施した製造パターンが確立され、次第にドイツにおける陶器産業の革命は大成功を収めていきました。
1950年代後半には、のちに【Fat Lava】と称する、溶岩や花崗岩のようなテクスチャ・ディティールが特徴的な釉薬を施すスタイルが多くの工房や企業で標準的な手法となっていきます。
一つ一つを手作業で製作し、釉薬の活性化や温度や湿度によって全てが唯一無二の作品に。
それらはプロダクトデザインが席巻していく1980年代まで大きな盛り上がりを見せていました。
当時有名だったのがScheurich、Ruscha、Carstens、Bay、ES、Dümler&Breidenなど。聞かれた事がある社名はありますでしょうか。
1970年代初頭に生産が減速し始めた一方で、1980年代までさまざまな趣向の陶器が生産され続けました。その多種多様な形と表現豊かな色でよく知られています。
特に1990年代半ばから世界的にも注目を集め始め、以降コレクターの間で関心が高まり続け、現在に至ります。
近年日本でもアンティークショップやヴィンテージショップで見かけるようになりました。
【Fat Lava】と【West German Art Pottery】という用語はしばしば同じ意味で使われることも多いのですが、実際には【Fat Lava】は【West German Art Pottery】の中の一部のカテゴリー。
それが前述した、溶岩のような外観を与える厚い釉薬を用いた陶器の総称です。
そして実は【Fat Lava】という言葉は後付けなんです。
2006年にMark HillとGraham Cooleyという2人の博士が、キングスリン芸術センターで「Fat Lava」展を主催。
イギリスや世界各地から約3500人以上がこの展覧会に訪れたそうで、【Fat lava】という造語が最初に登場したのがこの時です。
後にMark Hillは、Graham Cooleyの展覧会とその図録とカタログである "Fat Lava: West German Ceramics of the 60s & 70s"を出版。
そう、FatLavaという名前は近年生まれたものなのです。
作品が先行し、後に命名されるという特異な歴史を持っています。
というミステリアスで奥が深い【Fat Lava】。
日常に彩りを与えるあなただけの陶器。
是非お好みのアイテムを見つけてみてくださいね。
商品一覧はこちらよりご覧いただけます。→https://www.demode-vintagejewelry.com/categories/4829756
最後までお読みいただき有り難うございます。
DÉMODÉ 細野
2023/01/14
新規取扱い【Otto Keramik(オットーケラミック)】について
皆様こんにちは。DÉMODÉの細野です。
年末年始はゆっくりと過ごされましたでしょうか。仕事始まり、憂鬱になっていませんか?
本日は2023年より取扱を始めたヴィンテージブランド【Otto Keramik/オットーケラミック】について書きたいと思います。
写真でもわかる通り、他にはない色味とグラデーション、ざらりとした質感、シンプルでミニマムなデザインが特徴です。
独自の釉薬を使い、丁寧に一つずつ釜で焼かれたアイテムは、火の当たる箇所や温度、その日の温度や湿度によって全てが再現する事ができない一点ものに。
多くの陶器や食器を見てきましたが、ここまで表情のある作品は初めて見ました。
また全ての商品の裏面には基本的にフェルトが貼られ、家具を傷めない工夫がされています。小物入れに至っては上蓋の裏にまで!
と言うように、現在の大量生産、大量消費とは全く逆のものづくりを行なっているファクトリーです。
アイテムについては店頭でご覧いただくとして、そんなOtto Keramikの歴史についても触れておきます。
Otto Keramikは1964年にOtto Gerhartzによって創設された、ドイツの陶器メーカー。
皆さんもブランド名を聞かれたことがあるかも知れません。ヴィンテージ市場で人気、ドイツの陶器ブランドRuscha Keramik。
1950年代の陶器ブームにおいて絶大な影響力を誇った、そのRuschaのプロダクションディレクターを務め、様々な釉薬を考案。
独立後、彼の自宅アトリエからOtto Keramikはスタート。
創設から1978年まで工場で使用された釉薬は全てGerhartzによって考案されたものが使われています。
拘り抜かれた釉薬による表情豊かな色彩や風合いは今もなお世界中のコレクターから愛されており、現在は彼の遺志を継ぐ息子が経営を行っています。
ドイツの陶器ブームを牽引したメーカーのうちで、現存する数少ないメーカーの一つです。
YouTubeにOttoのモノづくりの様子が上がっておりましたのでURLを貼っておきます。
ご興味のある方は是非ご覧ください。
https://youtu.be/u3XdMKhM_oU
当店で扱うアイテムは、バラエティ豊かなOttoの中でも特に美しい色のもの、デザイン性の高いものだけをセレクトしています。
実物をご覧の上、商品を購入いただきたいのでOttoはオンラインストアにはUP致しません。(遠方のお客様すみません)
是非店頭でお好みのアイテムを手に取ってみてくださいね。
DÉMODÉ 細野
2023/01/07
2023年。新年明けましておめでとうございます。
新年明けましておめでとうございます。
DÉMODÉ の細野です。
皆様年末年始はゆっくりと過ごされましたでしょうか。
かと言う僕は友人との忘年会や新年会、親戚の集まり以外は自宅で巣篭もりしてました。ただの出不精です。笑
そんな休みボケを吹き飛ばす、気持ちが上がるアイテムが入荷しました!
その名もOtto Keramik(オットーケラミック)。
ドイツ生まれの陶器たちです。
自社独自の釉薬を使い、独特の色味と質感、そして美しいグラデーションが特徴。
焼きの温度や釉薬の量、気温や湿度で一点一点色の出方が異なり、まさに唯一無二の作品になっています。
その表情豊かな色彩や風合いで世界中のコレクターに愛され、常に市場は枯渇状態。
今回はOttoの工場でデッドストックとして保管されていたものをご用意しました。
是非店頭にてその圧巻のアイテムたちをご覧ください。
今年もアクセサリーを始めとした、当店でしか出会えない【一点もの】を提案していきますので、引き続き宜しくお願いします!
DÉMODÉ 細野
【Otto Keramik(オットーケラミック)】
1964年にOtto Gerhartzによって創設。
1950年代の陶器ブームにおいて絶大な影響力を誇った陶器メーカー「Ruscka」のプロダクションディレクターを務め、様々な釉薬を考案。
独立後、彼の自宅のアトリエからOtto Keramikはスタートしました。
創設から1978年まで工場で使用された釉薬はGerhartzによって考案されたもの。
こだわり抜かれた釉薬による表情豊かな色彩や風合いは今もなお世界中のコレクターから愛されており、現在は彼の意思を継ぐ息子が経営を行なっています。
ドイツの陶器ブームを牽引したメーカーのうちで、現存する数少ないメーカーの一つ。
2022/12/30
今年一年、皆様有難うございました!
皆様こんにちは!DÉMODÉ の細野です。
本日12/30を持ちまして、今年の営業は終了しました。
2022年は個人的な感覚ではあっという間の一年間でした。
ただ振り返ると一日一日が内容の濃い、本当に充実した年でした。
今までの人生でこんなにも多くの方に支えられていると実感した事はありませんでしたし、ショップを通じて多くの方との新たな出会いが生まれた、そんな一年でした。
2022年、僕自身、またDÉMODÉに関わっていただいた方々、一年間本当に有難うございました。
11/11にオープンしてまだ2ヶ月弱。
本当にまだまだ駆け出しのひよっこショップですが、より多くの人に素敵な店だなと思っていただけるよう、また多くの人の心を動かすアイテムを提供できるよう精進して参りますので、2023年も【DÉMODÉ】を宜しくお願いします!
新年は1/5(木)の12:00からお待ちしております!
また新年からドイツのヴィンテージブランドが加わります。
その名は【Otto Keramik/オットーケラミック】。
自社オリジナルの釉薬を用いた美しいグラデーション、色彩、質感、そしてデザイン性、全てが素晴らしい作品たちです。
一応大きな括りではFat Lavaの一部なのですが、よりミニマルで落ち着いた印象があります。
しばらくの間はオンラインでの販売は行わず、店頭のみの展開とさせていただくので是非実物をご覧にお越しください。見て触れていただくと感動しますよ。
詳細はSNS上でUPしていきますのでお楽しみに。
という事で、今年一年有難うございました。皆様、良いお年をお迎えください。
DÉMODÉ 細野
2022/12/09
本日19:00 Fat Lava(ファットラーヴァ)の新規入荷分をオンラインショップへUPします!
皆様こんにちは!細野です^ ^
大変お待たせしました!
西ドイツの一点もの陶器「Fat lava(ファットラーヴァ)」の商品11点を本日の19:00よりオンラインショップへUPします!
「Fat lava(ファットラーヴァ)」とは、1960年代から80年代にかけて西ドイツで製作され、ごく限られた特徴でカテゴライズされた陶器の事。
Fat=太った、Lava=溶岩という名前に表される通り、溶岩が流れているようなデザインや、冷えて固まった溶岩(花崗岩)のようなざらっとしたテクスチャーが特徴。
同じデザインが2つと無く、まさに一点もの。
職人によるハンドメイドで作られ、長い歴史分(30年前後)途方もない数があります。
そのデザインの素晴らしさから全世界にコレクターが存在し、市場の動向を見守っています。
千差万別のデザインの中、当店ではクリーンでモダンなものを僕の独断と偏見で集めています。
もちろん自信を持ってお客様にお見せできるよう徹底的に検品を行い、品質や状態には万全を期しております!
先程お伝えした通り、全て一点ものなのでプレゼントや店舗什器にピッタリ。
是非お好きなデザインを見つけてみてくださいね。
ちなみに僕も入荷の度に自分用で買っちゃいます笑
以下のページから全ラインナップご覧いただけます。
https://www.demode-vintagejewelry.com/categories/4829756
不明点や気になる事があれば、気軽にお問い合わせページやSNSのDMにてご連絡ください。
もちろん実際にショップでゆっくり選ばれるのも楽しいですよ。ご来店お待ちしております!
細野